第二診


「体に合わせていくしかないのです。」
 (私)
だから、昨日まで辛かったのに、今朝は雨になって寝坊が出来たら、
けろりと症状が落ち着いてしまったのですよ。

(おばあさん)
そうだべか?
そりゃ、今が仕事始めのきつい時期なのは確かだけどさ。
だって、毎年同じ事やってるんだよ、今年だけ特別何かやったわけではないのに、
なんで今年だけこんなになるのかな?

(私)
残念ながら、それが年の変化というものなのですよ。
<もう一枚メモ用紙を取り出す>
かまどがあって、
<かまどの絵を描く>
釜を乗っけて、
<蓋つきの羽釜の絵を描く>
薪をくべて火をつける。
<かまどの中に火をつけた絵を描く>
すると釜の中の湯が沸いて噴き出してしまう。
<釜からこぼれる絵を描く>
大変と、差し水をすれば、ちょっとの間は落ち着く
<釜の上にコップの絵を描く>
でも、かまどの火がそのままだと、また噴き出す。
噴いた、入れたを繰り返していると、釜の中のお湯がひたひたになってきて、
差し水を入れようとしてもこぼれるようになってしまう。
<何度も差し水を入れて、湯があふれてくるような絵を描く>
どこかで見たような景色なのですが、じゃあこれが何の例えになっているかというと、
<かまど火から線を引いて「つかれ、ストレス、生活の乱れ」と書く>
いわゆる体への負担となる事ですね。
<先のフレーズをかっこで包み「体への負担」と書き足す>
じゃあこの差し水というのは、
<コップから線を引き「休息、薬」と書く>
体へのいたわりとなるわけです。
<先のフレーズをかっこで包み「体へのいたわり」と書き足す>
で、釜の中のお湯が、
<釜の中から線を引き「体調」と書く>
で、これをどう整えればいいかというと、
<「豆を煮る時のように静かにコトコトさせておくのがいい」と書き足す>
つまり、負担といたわりのバランスが大事ということになります。
<「負担」と「いたわり」の間を結び、「バランス」と書き足す。>
そこで、この釜の大きさはというと、
<釜から線を引き「体力」と書く>
体力を表しており、若い時には、
<「若くて力が余っているときは、とても大きい釜なので簡単に噴き出す事はない」と書き添える>
しかしながら、年齢を重ねていくと体力というものは?

(おばあさん)
確かに弱くなって行くよな。

(私)
そのとおり。
<「年齢に伴い、体力は衰える」と書く>
体力が衰えるということは、だんだん釜が縮んで行くという事です。
<「釜が縮む」と書き足す>
もとは馬に喰わせる様な一斗釜で、どんなに炊いてもぐらっと沸かす事さえ大変だったかもしれない。 でも、
<「一升、五合、三合・・・一合」と続けて書きながら、>
体力に合わせてだんだん釜は縮んでいき、いずれは釜めし用の一合に近づいていく。
<「釜が変わったのに、炊き方を変えなければ?」と書き足し>
五合釜の炊き方で三合釜を炊いたらどうなりますか?

(おばあさん)
そりゃ、焦げこげになって大変だ!

(私)
そうですよね、結局、今の体力に合った事しかできないのですよ。
<「今の体に合わせていくしかない」と書き添える>

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