第四診


「インフルエンザもやっぱり、安静第一!」
(私)
<女の子に向き直って、>
いいかい?約束が三つあります。
ちゃんとお熱が下がるまで、
一つ、ゲーム禁止!二つ、マンガ禁止!三つ、テレビ禁止!
学校の教科書は読んでいい。

(女の子)
えー、やだなーーー

(私)
<ちょっと笑いながら>
学校の教科書を読むと眠くなるでしょう?
そしたら、ぐっすり眠る事。
眠って起きれば、早くすっきり良くなるよ。
お熱が下がって、元気になれたらあとはOKさ。
<お母さんに向き直って>
あと、お母さんがパタパタしていると、普通子供も一緒にうろうろしたくなるものなので、出来たら
お子さんの状態が落ち着くまで、お母さんも出来るだけ座って過ごしてあげられたらいいのですが、ご協力をお願いします。

(お母さん)
<ちょっと困った顔をして>
はい、努力してみます・・・

(私)
<インフルエンザ感染予防マニュアルを渡しながら>
通常、「リレンザ」を使い始めて2日程度で平熱に戻る事が多いですが、その後もウイルスの排出が続くので、出された5日分はしっかり使いきってください。
登校も、学校の規則に従って、一週間の自宅安静を守る事が、感染の拡大を防ぐ上で大事なことになります。
最後に、一度家庭に入りこまれてしまうと、まず全員に一回り感染してしまうまでおさまりがつかない事が多い様ですが、ここに書かれた事を一度しっかり読んで、出来るところを実行してください。

(お母さん)
わかりました。

(私)
まだ発症していない人は、栄養と休養を十分に心がけて、体調を崩さないようにする事で、感染を
軽く済ませる事が出来るので、感染しても発症を免れるケースもあり得ます。
残念ながら、これから家庭内で同じような高熱を出す人が出た時には、インフルエンザが発症したと考えられますの、早めに来院させてくださいね。

(お母さん)
そうなんですね。
やってみます。

(私)
今、一本点滴をして、お薬の処方箋も用意します。
では、お大事に。

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