第四診


「風邪は万病のもと」
(私)
残念ながら、そうなんです。そして、これから先はもっとそうなってきます。
誰しも、20代の体力をいつまでも保つ事は出来ないので、その時々の体の様子と相談しながら、
免疫がしっかり働けるように十分な栄養と休養を心がける事が必要となります。

(主婦)
やっぱり、そういうものなのね・・・

(私)
逆に、風邪をなかなか治せないという事は、体力が消耗していて免疫が十分働けない状態が続いているということで、色々な病気にかかりやすい状態ということにもなります。
それが、「風邪は万病のもと」と言われるゆえんとなります。
また、風邪は空気の通り道の粘膜に取り付くウイルスの病気だというのは、先ほど説明しましたが、それを長引かせるとどういうことになるかというと、ウイルスにやられた粘膜が、だんだんボロボロにほつれて来てしまうんです。
粘膜というのは、体の内側と外側を分けるバリアの働きをする部分なので、そこにほつれが出来ると、周りにいるばい菌が体の中に侵入しやすくなってしまいます。
そうすると、ウイルスの風邪からだんだんばい菌の風邪に変わっていき、最終的には肺炎にしてしまうのです。
あなたの鼻水が、風邪のひき初めには透明だったのに、この頃になって黄緑のネバネバに変わってきているのが、ばい菌の感染が始まってきている兆しとなります。
この先、38度を超す高熱が続けて出るようになったら、まず肺炎にしてしまったものと考えられますので、入院して頂いて抗生剤を点滴する治療が必要となってしまいます。

(主婦)
わーこわい!!
じゃあ、今のうちにしっかり治さなきゃ。

(私)
今回は、肺炎への進行を予防するために経口の抗生剤を含めた風邪薬を出しておきますので、
体力を落とさないようにしっかり食べるものを食べて、汗とおしっこを十分に出せるように飲むものを飲んで、ちゃんとお布団の中で安静を守って、きっちり治しきってくださいね。

★前に戻る                       ★次に進む

[プロローグ戻る]