「それが過敏性腸症候群と呼ばれるものです。」
(私) 確かに潰瘍や癌などの形に現れる病気がない事は、この前に確認しました。 そのように、ハッキリ症状の原因となる体の故障や変化がないのにもかかわらず、腸の動きを整える神経の調節がうまくいっていないために、症状が出てしまう事があるのです。 (会社員) じゃあ、今僕が苦しんでいる症状っていうのは、気のせいだってことなの?? (私) そうではありません。現実にあなたは苦しんでいる。 その症状というのは、あなたの腸の運動を調整している神経が、ちょっとした生活時間の乱れや ストレス、食事の内容の変化などに敏感に反応してしまうために、腸の動きが乱されて起きている という事なのです。 (会社員) ほら、やっぱり神経のせいだって・・・ (私) 実際に、体というものは、常に神経によって様々な調整を受けています。 ですから、その調整がうまく働けない状態になると、体に色々と不都合が生じるようになり、 それを症状として感じているという事なのです。 (会社員) そんな、神経の不調が簡単に体に影響を及ぼすだなんて、そんな事が本当にあるの? (私) それが、あるんです。 たとえて言うと、自動車に同乗する時、ゆったりとスムースな操作をする人の運転する車に乗れれば、気分よくドライブが楽しめますが、逆に、急加速や急ブレーキ、急ハンドルばかりをする人の運転する車では、ハラハラしてドライブが楽しめないばかりか、車酔いもしやすくなりますよね? それと同じように、敏感な神経の為に腸の動きに乱れが生じると、強く動こうとする部分とゆっくり動こうとする部分がせめぎ合って痛みを生じるし、全体の動きが早まると下痢をして、全体の動きが鈍くなると便秘になるという事なのです。 (会社員) そう言われれば、確かにすんごく落ち込んだり、むちゃくちゃ忙しくて焦っていたりする時なんかには、気持ちの動きに体が影響されるってこともわかる気がする。 でも、特に生活に負担がかかっているわけでもないし、何かすんごく悩んでいる事があったりするわけでもないし、変わった事をしてもいないのに、体の調子だけくるくる変わるってやっぱり変でしょう? (私) その症状の変化しやすさは、あなたの神経の繊細さ=「過敏性」に由来しています。 「過敏性」というのは、ステレオのボリュームつまみをほんの少しだけ回したつもりなのに、突然大きな音が出てビックリする事があるように、ほんの小さな変化なのにその何倍もの変化があったように反応してしまう、「体の性質」の事です。 この「体の性質」というものは、基本的に一生付き合っていくしかないのですが、それをちょくちょく 刺激して辛く生活するのも、うまくなだめて日常の生活に不便を感じないように生活するのも、 その人の対応次第ということになります。 (会社員) え?それって、僕が神経質だってことなんですか? (私) 一概にはそうは言えないのですが、「体に優しく、ゆったりと対応する事を覚えていただければ、 症状を軽くすませられる。」という意味では、「当たらずとも遠からず」です。 あなたの病気は、「過敏性腸症候群」という名前がつけられており、「腸の動きを調整している神経が敏感すぎるため、腸の動きが乱されやすくなっており、そのために色々なお腹の症状が出ますよ。」という意味になります。 (会社員) それってどういう事なの? |
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