第二診


「夜におしっこばかりに通って大変だ」

最初の来院から二週間後

(私)
おはようございます。お加減はどうですか?

(男性)
頭の痛みは、薬飲んだ時にはちょっと良いが、肩こりのほうはさっぱり良くならないな。
それよりも、あの肩こりの薬を飲みはじめてから、なんか夜におしっこに起きる回数が増えて困ってる。

(私)
え?あれは筋肉の張りを緩めることで肩こりを起こし難くさせる薬で、特におしっことは関連がないはずなのですが・・・
実際、何回ぐらい夜に起きるのですか?

(男性)
そうだな、まあ、以前から一・二回はおしっこに起きては居たんだが、あの薬を飲むようになってから、毎晩、三回ぐらいは起きる様になってる。

(私)
そうですか。
それで一回ごとのおしっこの量はどうですか?いっぱい出ますか?おしっこを出そうと思ってから、実際出てくるまで時間がかかったりはしていませんか?

(男性)
毎回、いっぱい出るよ。
それは、若いころと比べたら、おしっこが細くなっている気はするけど、そんなに出し難いと感じる事はないね。

(私)
寝る前の水分はどうですか?

(男性)
晩酌はやるから、結構水分は多いんだろうな。
(私)
なるほど。
ちょっと、血圧の手帳を見せてください。
<男性から血圧手帳を受け取り、記録を確かめる>
なるほど、やはり自宅での血圧も相当に高いですね。
特に午前中の血圧がとても高い、夕方にかけてだんだん下がってきている様ですが、一番高いところでは最高血圧が200に迫っており、これでは肩こり頭痛が治まらなくて当然の状態です。

(男性)
やっぱりそうなんだ。
血圧の薬を飲まねばだめだべか?

(私)
そうですね。
とりあえず、朝一回飲むタイプの血圧の薬から始めてみましょう。
薬を飲み始めてから、血圧がどう変化するか見たいので、血圧手帳の記録は引き続きお願いします。

(男性)
わかった。
夜のおしっこのほうはどうすればいい?

(私)
毎回それなりの量のおしっこが出ているとのことなので、寝る前の水分量が多いためとも考えられるのですが、まあ、前立腺肥大が始まっていてもおかしくない年齢でもあります。
とりあえず、寝る前の水分を減らすように心がけて様子を見てください。
前回の採血検査の結果で、軽くですけど肝機能障害がある事も分かっているので、前立腺の様子を見ることも併せて、腹部超音波の検査を予約しておきます。
次回にその結果を見て、もう一度相談してみましょう。


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